米艦船、はえ縄切断か 本島南西沖、県漁船5隻被害


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米艦船とみられる船によるはえ縄切断事故現場

 沖縄本島の南西約110キロの海域で16日から21日にかけて、県近海鮪漁協と那覇地区漁協所属のマグロはえ縄漁船少なくとも5隻が、米海軍の艦船とみられる船にはえ縄を切断される被害に遭っていたことが23日、分かった。県は、周辺海域で目撃された米海軍の音響測定艦「インペッカブル」が切断した可能性があるとみて、各漁協に注意を呼び掛けている。

 昨年5月には、宮崎県と鹿児島県の漁船が久米島西側の海域で米艦船とみられる船にはえ縄を切断される被害に遭っている。
 今回、被害が確認された漁船は、県近海鮪漁協所属3隻と那覇地区漁協所属2隻の計5隻。けが人はいない。県漁連は現在、沖縄防衛局を通じて米軍に事実関係を照会しており、確認でき次第、抗議する見通し。県と県漁連は、ほかにも被害を受けた漁船がないか、情報収集している。
 インペッカブルは低周波ソナー(音波探知機)を備えた艦船で、米海軍ホワイトビーチや那覇軍港への寄港がたびたび確認されている。4~6月ごろにかけて沖縄近海は、クロマグロ(本マグロ)漁の最盛期で県内外の漁船が集まる。はえ縄は数百万円と高価で、切断されると修理に時間がかかる。