サンゴ識別可能に OISTがDNA解析法開発


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 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新里宙也博士らの研究グループは23日、世界的に最も一般的なサンゴの仲間群「ミドリイシ属サンゴ」を個体ごとに識別するDNA解析手法を編み出したと発表した。ミドリイシ属サンゴは113種類が確認されている。

サンゴの遺伝的つながりの把握や、遺伝的多様性の確保が可能になった。地球規模でのサンゴ礁保全への応用が期待される。新里氏は「実用化につなげていきたい」と抱負を述べた。
 これまで、同じ個体から分裂して増えた同遺伝子のサンゴか、全く別の遺伝子を持つのか、親子・兄弟関係で遺伝的なつながりがあるのかに関し、5種類のミドリイシ属サンゴの個体を除き分かっていなかった。
 同サンゴ全種類が共通して持つDNAの一部を14カ所特定した。これらの比較で個体を識別できる。
 県内には全サンゴ種の約3割が生息しているとされる。この技術を応用すると、さまざまな環境の変化にも生き残れる多様なサンゴが移植できるという。