「犠牲になるのは民間人」 石川文洋さんベトナム取材語る


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ベトナムで取材した経験を話す石川文洋さん=24日、那覇市の県立博物館・美術館

 県出身で世界の戦場を撮り続けてきた写真家の石川文洋さんが、ベトナムの取材を始めて50年を記念した講演会「戦争と平和・ベトナム戦争の50年」(同講演実行委員会)が24日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。石川さんは、「戦争で犠牲になるのは民間人だ」と述べ、過去に戦争で多くの住民を亡くした沖縄とベトナムを重ねた。

 石川さんは空爆されるベトナムの写真を紹介しながら「この村には子どもも女性もいる」「兵士は、相手を人間だと思わないよう教育される」と指摘した。爆弾が落ちた農村の写真を見せ「沖縄から飛んだB52が落とした爆弾の跡だ」と説明すると、来場者は驚いた表情を見せた。さらに、石川さんは、ベトナム人同士が殺し合う現場を目撃した体験から「沖縄の人同士が対立している辺野古などの現状に心を痛めている」と沖縄の基地問題に引き寄せて話した。
 石川さんの写真を多く展示する戦争証跡博物館のフィン・ゴック・ヴァン館長も博物館の取り組みを話した。沖縄とベトナムの関係についても触れ「沖縄の方々がベトナム戦争に一貫して反対していたことに感謝している」と述べた。
 25日は、名護市の名桜大学でも講演会を開く。