チムグクルに触れ 神奈川の高校生、南風原で民泊


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
長元和江さん(左)に教わりながらサーターアンダーギー作りに挑戦する向の岡工業高校の生徒たち=22日、南風原町山川の長元さん宅

 【南風原】南風原町観光協会(照屋盛夫会長)は21日、修学旅行生16人を町内5家庭で受け入れる民泊事業を実施した。同協会の民泊受け入れは初めて。神奈川県立向の岡工業高校の3年生187人が、20日から3泊4日で沖縄を訪れ、その中の16人が南風原町に民泊した。

 長元朝顯さん(63)、和江さん(62)=同町山川=夫妻宅には21、22の両日、建設科都市工学コースで学ぶ男子4人が宿泊した。和江さんが郷土料理を振る舞い、文化や芸能を紹介しながら沖縄の肝心(チムグクル)を伝えた。
 溝口祐大君は「沖縄の日差しは痛いが風は涼しい。家の中に扉や窓が多く驚いた」と初印象を語った。
 21日、長元家の夕食はフーチャンプルー、ニンジンシリシリー、イナムドゥチ、モズクなど沖縄料理が勢ぞろい。みんなで食卓を囲み、初顔合わせながら会話を弾ませた。横内海君は「初対面でこんなに良くしてくれる家庭はない」と厚いもてなしを喜んだ。
 22日午前は南風原町文化センターで地元の歴史や文化を学んだ。午後は長元家でサーターアンダギー作りと三線の演奏に挑戦。カボチャ味、紅イモ味の材料をこねて丸め、油でこんがり揚げた。三線の演奏では、琉球音楽の楽譜「工工四」の読み方を学んだ後、てぃんさぐぬ花の歌詞と歌意を覚えながら演奏した。
 長元家では「いちゃりばちょーでー」「くわっちぃさびら」「命どぅ宝」などのしまくとぅばを教えた。4人は言葉の意味や込められた思いなどを聞いて、何度も口に出して覚えた。
 朝顯さんは「爽やかな青年たちで、楽しみながら付き合えた。時間や部屋に余裕があり、家族の協力があれば民泊の受け入れは可能。町民全体で取り組んでいければと思う」と話した。