設計士変更も視野 城西小体育館・幼稚園改築


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久高将光副市長(左)に城西小学校の体育館・幼稚園の建て替えについて署名を提出する保護者や地域住民=23日、那覇市役所

 那覇市立城西小学校の体育館・幼稚園建て替えで那覇市が既存校舎と同じ県外建築家と随意契約した問題で、保護者や地域住民は23日、那覇市役所に久高将光副市長を訪ね(1)契約内容の開示(2)沖縄の気候風土の考慮(3)今後の校舎建築での県内設計士起用―などを求める陳情書を手渡した。

併せて3014人分の署名を提出した。これに対して久高副市長は設計士変更も視野に対応を検討すべきだとの考えを示した。
 既存校舎は県外の建築家が設計したが、各教室は天窓から注がれる日光で気温が上がり、廊下に敷かれたタイルが滑りやすく転倒の危険があることなど、利用する児童の利便性で問題が多いとの指摘が父母、学校関係者から出ている。
 今回、同じ建築家が体育館・幼稚園の建て替えを設計することについて、知念ウシPTA会長らは陳情で「ショックを受けている。なぜ市はたくさんの問題がある校舎を設計した人に、随意契約という形で依頼したのか。現校舎のようなことを繰り返さないでほしい」と訴えた。既存校舎についても「首里城地域に合わせた外見イメージを優先し、子どもたちの教育環境づくりがおそろかにされていないか」と述べ、改修を求めた。
 久高副市長は「学校は設計士の作品展じゃない。発注側の意見が通らないのはおかしい。設計士を代えるくらい腹をくくって検討しないといけない。是正すべきところは丁寧に対応しなければならない」と述べた。
 市教委の担当者は「使う側の意見を確認しながら進めていく」と答えた。
 保護者らは21日、市議会の糸数昌洋副議長にも同様に要請した。糸数副議長は「議会もしっかり審議してバックアップしたい」と述べた。