辺野古アセスやり直し認めず 福岡高裁那覇支部 一審に続き住民敗訴


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「不当判決」などと書かれた旗を掲げ、裁判所前に駆け付けた住民らに報告する住民側弁護団=27日午後2時すぎ、福岡高裁那覇支部前

 米軍普天間飛行場代替施設建設に伴うキャンプ・シュワブ沿岸部での環境影響評価(アセスメント)手続きに不備があるとして、周辺住民ら約300人がアセスの方法書、準備書などのやり直し義務の確認と損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。今泉秀和裁判長は一審の那覇地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

 一審判決に続き、環境影響評価法では住民に意見を述べる権利はなく、やり直し義務の確認を求める訴えは不適法とした。
 国は2007年から環境影響評価手続きを開始した。方法書や準備書の段階で、住民らから意見を求める公告縦覧や説明会などを実施した。しかし国は追加や修正を繰り返し、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備については住民が意見を述べる機会がない評価書の段階で明らかにするなどしたため、市民団体や識者が「後出し」などと批判してきた。
 住民らは09年8月、アセス手続きの不備を訴える全国で初めての訴訟を那覇地裁に提訴した。現地検証や証人尋問などの審理を重ねたが、13年2月、那覇地裁は住民がアセスに意見を述べる権利を認めず、請求を却下した。
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