6次化施設 来月稼働 なごアグリパーク


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農産物6次化支援拠点施設「なごアグリパーク」の稼働で商品開発やカフェ展開に意欲を見せるクックソニアの従業員ら=28日、名護市名護

 【名護】農家の所得向上につながる6次産業化の拠点を目指した加工施設「なごアグリパーク」が名護市名護に完成した。6月4日に稼働する。既に6次化に取り組んでいる事業者が地元の農作物などを活用して加工品を生産し、併設したカフェで提供するほか、加工研究室を設けたのが特長。「農作物1次処理室」「乾燥・粉砕室」「加熱殺菌室」など目的に応じた9室が整備され自由に利用でき、商品開発に向けた農家の育成を後押しする。

 加工施設は名護市が一括交付金を活用し、ネオパークオキナワ裏に整備した。専用駐車場は260台収容できる。
 平屋造りの施設の屋根には49・5キロワットの太陽光発電パネルを設置し売電による収益を施設の運営費用に活用する。
 沖縄美ら島財団(本部町)が、指定管理者として運営する。
 市の担当者は「農家を育てるという視点に立ち、農業振興によるまちづくりを目指していきたい。施設での取り組みが6次化を図るモデルとなってほしい」と期待している。
 インキュベート(新規事業支援)施設には、耕作放棄地再生や香辛料を開発するクックソニアと、マンゴーやタンカンなどを使ったジャムなどを開発する、おきなわみるくふぁーむの地元2業者が入居する。同施設は一定期間、事業者に貸し出し、数年後には自前の飲食店設置を促していく構想だ。
 研究室では試作品の開発に取り組むことができる。5人単位で時間制で貸し出す。
 9室中、同時に複数の部屋を利用することができる。1時間当たり利用料は、市民が500円、市外利用者が千円。