沖大学生歌が完成 卒業生と在学生合作


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 緑芽吹き 実り多き島の 歴史を築く学舎で―。沖縄大学の学生歌「未来に続く学舎(まなびや)で」が2月に完成し、卒業式や入学式で披露されている。作曲は卒業生でミュージシャンの知花竜海さん(34)、作詞は4年次の糸澤幸子さん(50)が担当した。

前年度まで在任していた加藤彰彦前学長(72)が発起人だ。「沖縄大学にはこれまで、校歌も学生歌もなかった。学校のシンボルとなる歌があればと5、6年前からずっと思っていた。(学生や卒業生など)みんなで作った歌だ」と喜んでいる。
 加藤前学長が担当する講義「沖縄大学論」で、学生に歌の制作を呼び掛けた。思いに共感し歌詞を書き上げた糸澤さんは、フリーのツアーコンダクターをする傍ら、週2日通学している。福島第1原発事故の放射線から逃れるため沖縄に引っ越してきた。歌詞制作時の感覚を「沖縄の自然風土の美しさと、『沖縄大学論』で学んだ大学の歴史や成り立ちが一気に結び付いて、(歌詞が)自然に湧き出てきた」と振り返る。
 昨年9月に加藤前学長から作曲依頼を受けた知花さんが付けた曲は抑揚のある壮大なメロディーで、ピアノとストリングス(弦楽器隊)を主体としたアレンジに仕上がった。知花さんは「歴史から未来をつくっていくという大学の理念を象徴した歌詞だった。式典に合わせたピアノ曲としても応用が利くように工夫した」と話した。
 今も講義を担当する加藤前学長は「(校歌は1曲だが)学生歌はいろんな場面で歌えるように何曲あってもいい。行事ごとに流して浸透させていきたい」と思いをはせた。
(長浜良起)

入学式で学生歌「未来に続く学舎で」を演奏する知花竜海さん(左から2人目)とバンドメンバー=4月4日、那覇市寄宮の那覇市民会館(沖縄大学提供)
知花 竜海さん