ヤマト・ANAが提携強化 那覇空港物流ハブ活用


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握手を交わすヤマト運輸の山内雅喜社長(左)とANAカーゴの岡田晃社長。手前は沖縄県章をあしらった貨物機の模型=30日、東京都港区

 【東京】宅配便大手のヤマト運輸(東京、山内雅喜社長)は、那覇空港を物流拠点(ハブ)とする国際航空貨物事業を活用し、現在の日本から香港向けに加え、シンガポールと台湾向けの「国際クール宅急便」を年内に始める。

物流ハブを運用するANAホールディングスの貨物事業会社「ANA Cargo(カーゴ)」(東京、岡田晃社長)との業務提携を強化し、沖縄パーツセンターの活用や旅行者向け手荷物宅配事業の開発も共同で手掛けていく。
 30日、都内で会見した山内社長は「日本の優れた農水産品の輸出を拡大し、日本の成長を支えたい」と話し、岡田社長は「沖縄経済の活性化にも貢献したい」と強調した。
 国際クール宅急便は沖縄物流ハブを利用することで、配送時間が1日短縮され、日本から午前中に送ると翌日午後に届けられる。
 インターネットを使った小口生鮮食料品の取引を想定している。那覇空港に隣接する沖縄パーツセンターを拠点に、精密機器などの部品や医薬品をアジア各国に翌日配送するビジネスの拡充も視野に入れている。将来は中国・上海やマレーシア向けも検討する。
 提携強化を記念し、貨物専用機の一部に「クロネコヤマト」のマークと沖縄県の県章をあしらった。