嘉手納基地発着、1万回増 13年度防衛局調査


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嘉手納基地での米軍機の離着陸などの回数

 沖縄防衛局は30日、2013年度に米空軍嘉手納基地を離着陸した航空機の目視調査結果を公表した。午前6時~午後6時の離着陸や「タッチ・アンド・ゴー」などは計4万7078回記録し、12年度の3万7110回を約1万回(26・9%増)上回り、10年度以降調査で最多となった。

そのうち常駐機のF15戦闘機の回数が1万4914件で前年度より5割も増加。騒音の主な要因となる戦闘機の運用が活発化していることが裏付けられた。
 陸着陸などの総数は11、12年度は3万6千~3万7千回程度の水準だったが、13年度は3年ぶりに4万回を超えた。外来機の離着陸などの回数が13年度は1万2342回と、前年度比24・0%増加。全体の7割を占めるF15などの常駐機は、3万4684回で同27・9%増だった。
 月別で見ると、総離着陸などの回数は13年5月を除き全てで3千回を超えた。最も少ない同5月は2870回、最多の14年1月は5164回だった。
 全ての離着陸などのうち、騒音が激しい戦闘機は2万891回で、前年度より6441回(44・6%)増えた。
 調査は13年4月1日~14年3月30日(364日間)の毎日午前6時~午後6時、嘉手納町の沖縄防衛局庁舎などから同局が委託した民間業者が目視で行った。
 調査結果について嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会会長の當山宏嘉手納町長は「負担軽減どころではない。日米合意に逆行するものだ。詳細を分析し、対応を決めたい」と話した。F15の大幅増には「騒音軽減のためグアムに訓練移転しているにもかかわらず、訓練が激化していることになる」と批判した。
 桑江朝千夫沖縄市長は「1日平均で数十回増えており、住民にとっては相当の負担増加だ。米軍に説明を求め、三連協で対応を協議したい」と話した。