復帰の日に哀悼込め舞 横浜で渡嘉敷流保存会


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戦争により若くして散った命を思い創作された「沖縄散華」=5月15日、横浜市鶴見区民文化センター(渡嘉敷守良流東京・沖縄芸能保存会提供)

 【神奈川】渡嘉敷守良流東京・沖縄芸能保存会(児玉清子会主)の創立66周年記念公演「沖縄の光と風」が5月15日、横浜市鶴見区民文化センターで開かれた。復帰42年を迎えたこの日、先代児玉清子が創作した舞踊「沖縄散華」が披露された。

公演は、沖縄に古典舞踊などの「美しきもの」がある一方、沖縄戦や今も変わらない基地問題といった「厳しきこと」が存在することを描いた。
 「沖縄散華」は沖縄戦の犠牲となった学徒らへの祈りと、悲しみの中から立ち上がり平和を目指す沖縄の心を表現した演目。児玉清子会主らが哀悼の思いを込めて踊った。
 門下生は古典女七踊を踊った。一人舞台を経験することで舞踊を深く感じ、後世へ伝承していくのが狙い。「柳」を披露した児玉由記子は、紅(くれない)の花や柳を小道具に、華やかな中にもすがすがしい舞を見せた。
 音楽は生演奏ではなく、あえてCDを使用した。他界した普久原朝喜から比嘉康春、銘苅盛隆ら一線の音楽家まで、よりすぐりの音楽を選んだ。