県内の若年性認知症382人 施策検討へ


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調査で報告された若年性認知症の年齢階級

 県は4日、昨年11月からことし3月まで実施した「若年性認知症実態調査」の結果を公表した。18~64歳の若年性認知症と診断された(疑いを含む)人が県内に少なくとも382人いることが分かった。

県が実態調査に乗り出したのは初めて。県は調査結果を基に、若年性認知症への施策を検討する方針だ。
 調査は「認知症の人と家族の会県支部準備会」に委託して実施。心療内科や精神科などがある医療機関や介護事業所などを対象に若年性認知症者の有無などを質問した。また認知症者本人とその介護をする家族にもアンケートを実施した。
 内訳は男性224人、女性158人。年代別で最多は60~64歳の197人。次いで55~59歳が101人で、両年代で約8割を占めた。50~54歳は38人で、40歳代は33人、30歳代は10人、18~29歳は3人だった。
 厚生労働省が2009年に発表した全国の若年性認知症者数は推計で約3万8千人で、18~64歳の人口10万人当たりの若年性認知症者数は47・6人。県によると今回の調査では県内は45・2人となり、単純比較はできないが、全国と比較しても目立った違いはない。一方、医療機関などからの回答率が約70%にとどまることなどから、実数はさらに増えるとみられる。
 高齢者と比べ、若年性認知症者は少数のため、対策が遅れているのが現状だ。県は14年度中に、若年性認知症に関するハンドブックを作成する。また、今月中旬に開催される「県認知症施策推進会議」で今後の対策を検討する。