県内育児女性6割就労 全国平均より10ポイント高く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
総務省統計局調査

 育児をしている25~44歳の県内女性のうち、働いている人の割合「有業率」は全国平均より10・1ポイント高い62・5%に上ることが総務省統計局の2012年調査で分かった。

一方、県の調査では12年7月の育児・介護休業法改正で全面義務化された育児のための残業免除制度について、制度を設けず同法に違反する状態にある事業所が県内の約4割に及ぶなど、子育てをしながら働くための環境整備が進んでいない実態が浮かび上がっている。
 総務省の就業構造基本調査などによると、育児をしている25~44歳の県内女性は約8万500人。このうち仕事をしている人は約5万300人、仕事をしていない人は約3万300人だった。全国で育児をしている同じ年代の女性は548万8700人。このうち仕事をしている人は52・4%の287万5500人、仕事をしていない人は261万3100人だった。
 働きながら子育てをする女性が過半数を占める中、育児中に得られるはずの労働者の権利が守られていない実態もある。県労働政策課が県内788事業所を対象にした調査によると、育児のための残業免除制度を導入している事業所は61・7%にとどまり、未導入が38・3%に達した。育児のための短時間勤務制度を導入している事業所は78%で、未導入が22%あった。
 沖縄労働局雇用均等室は県内で育児中の有業率が高いことについて「出生率や離婚率、母子世帯の高さが影響しているのではないか」と分析。その上で「事業主、労働者とも法を理解していない例も多い。パート労働者でも条件によって育児休業を取得する権利がある。法改正が就業規則に反映されないケースが多い」と述べ、制度周知の必要性を指摘している。(古堅一樹)