パック製造効率6倍 かねよし、かつお節商品多様化


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新しく導入したかつお節製造機械を紹介するかねよしの金城良樹社長=浦添市西洲の同社

 食品加工・卸販売のかねよし(浦添市、金城良樹社長)は、多様化する消費者ニーズに対応するため、作業の効率化で生産性の向上を図っている。5月に導入したかつお節だしパックの計量から包装までを自動化する機械は、1分間の製造数量を従来の6倍に増やした。

余剰人員は規格の異なる新商品製造などに充て、便利さの追求や少量化など、変化が著しい消費者ニーズへの対応力を強化している。
 同社は1971年創業。沖縄料理のだしに欠かせないかつお節のほか、昆布やワカメ、煮干しなどを県内量販店やホテル、レストランなどに卸している。
 新たに導入した機械の整備費用は約1千万円。かつお節のだしパック(15グラム入り)を自動で計量、袋詰め、包装できる。各工程が手作業だった従来と比べ、1分間の製造能力は6倍の30個に増えた。
 2012年度にも、沖縄振興開発金融公庫の農林漁業資金を活用して別のかつお節包装用機械を導入した。周辺機器を含めた整備費用は約5千万円で、そのうち4100万円の融資を受けた。110グラム入りのかつお節商品を1分間で「従来の倍以上」という14パック製造できる。包装を担当する人員も6~9人から1人に大幅減員した。
 効率化を進める背景には、核家族の増加などによる消費者ニーズの変化がある。金城社長は「10年前は大家族が多く500グラムほどの商品が主流だったが、今は200~300グラムの需要が高い」と説明する。
 同社のかつお節商品は現在、規格の異なるものを含めると20種類以上に及ぶ。効率化による余剰人員を新たな規格の商品製造に充てることで、商品の多様化に対応している。
 金城社長は「最終的な選別は人の手で行うが、15グラムのだしパックなどの加工は手作業だけでは間に合わない。効率化でお客さまの求めるものに対応していく」と話した。(長嶺真輝)