「海鳴りの像」訪問を 遺族会、宮内庁などに要請へ


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 太平洋戦争中に船舶が攻撃を受け、家族を失った遺族でつくる「戦時遭難船舶遺族会」は、26、27両日に天皇と皇后両陛下が対馬丸犠牲者の慰霊のため来県されるのに合わせ、犠牲者が祭られた「海鳴りの像」への訪問を要請する。

 20日に県庁で記者会見を行い、宮内庁長官と総理大臣に両陛下訪問の要請文を送る。遺族会連合会が発行した「海鳴りの底から-戦時遭難船舶の記録と手記」も同封する。
 遺族会の大城敬人(よしたみ)会長代行は「対馬丸以外の船舶にも目を向けてほしい」と話した。遺族会によると、25隻の船舶に乗船した1900人余が犠牲となった。遺族会は1987年、那覇市の旭ケ丘公園に海鳴りの像を建てた。対馬丸の学童慰霊塔「小桜の塔」も同公園にある。
 遺族会は23日午後、海鳴りの像前で慰霊祭を開催する。要請が受け入れられない場合、26日に遺族だけで集まることを検討する。
 対馬丸記念会の高良政勝理事長は「海鳴りの像へも訪問してほしい。犠牲になったのは対馬丸だけじゃない」と話した。