悲恋歌劇、涙誘う 劇団綾船公演「冬ぬ夜雨」


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幸地の父(中央)の説得により、別れを決意した幸地里之子(左)と悲しむチルー=7日、沖縄市民小劇場あしびなー

 劇団綾船(平良進座長)の水無月(みなづき)沖縄芝居公演が7日、沖縄市民小劇場あしびなーであった。悲恋歌劇「冬ぬ夜雨」(平良進作・演出)と喜歌劇「孝行三良小(不孝戒め)」(平良演出)が上演された。

 「冬ぬ夜雨」は士族の幸地里之子(金城真次)と尾類チルー(小嶺和佳子)との悲恋を描く。幸地の父(平良)に結婚を反対され、駆け落ちする2人だが、3年後、里之子は父の説得でチルーと別れることを決意する。チルーは「立身してまた会いに来て」と約束し、涙で里之子を送り出す。
 幸地の父が里之子を命懸けで説得する場面では、鬼気迫る演技が観客の目を引いた。別れの場面では、はかないチルーの表情や演技に涙を拭う観客の姿も見られた。当銘由亮や伊良波さゆきらが安定感ある演技を見せたほか、物知り夫婦を演じた西門悠雅、比嘉雪乃らの軽妙なやりとりも舞台を一層盛り上げた。平敷勇也、仲原賢次らも出演した。