モズク有望種初判明 本島東海岸採取の種


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県内で生産するオキナワモズクのうち、収量の多い有望種が初めて判明した。県水産海洋技術センターが26日に発表した。県全域から採取した12種から特徴的な形質の3種を選抜し実証実験を行った結果、本島東海岸で採取したモズクが1平方メートル当たりの収量が最も多く、太くて固いため加工や輸出に適しているとした。

有望種の普及拡大で、生産性と品質の向上が期待される。
 モズクの形態や特徴は、潮流などが異なる海域ごとで差異があることは知られていたが、研究機関が実証したのは初めて。
 県水産海洋技術センターは、2011年から実験を始めた。モズクは本島の西海岸、東海岸、離島で採取し、久米島や南城市など4カ所で3年間試験を実施した。結果、採取した海域以外で3種とも養殖可能なことが判明した。
 担当者によると、県産モズクの9割が塩漬けで加工されるため、加工に適した特徴を持つ有望種に期待が高まる。実験結果を受け今後、モズクの持つ機能性成分に着目した効率的な種の育成や加工技術の開発に取り組む。

加工に適していると判断された本島東海岸で採取されたモズク(県水産海洋技術センター提供)
実証実験でモズクを採取する作業員(県水産海洋技術センター提供)