浦添市西海岸開発、見直し3案まとまる 市民ワークショップ


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浦添市西海岸開発計画「第2ステージ」の形状見直しを検討した第3回ワークショップ=21日、浦添市役所

 【浦添】浦添市の西海岸開発計画についての市民ワークショップの第3回が21日夜、浦添市役所で開かれた。商業施設誘致のほかビーチ、マリーナなどを整備する「第2ステージ」部分の形状の見直しを検討し(1)埋め立て面積を減らす(2)北向きのビーチを西向きにする(3)後背地の物流機能は那覇側の新港地区に集約する(4)那覇軍港代替施設の計画予定地を遠ざける-などの方向性を盛り込んだ三つの土地利用案がまとまった。

 一方で、当初は市民20人で始まった参加者は、最後の集まりとなったこの日は11人にまで減った。計画の是非から根本的に議論すべきだという要請も根強くあり、埋め立てを前提とした作業を不服として約半数が辞退する形となった。
 浦添市はワークショップの提案などを踏まえて年内に市としての第2ステージ見直し案をまとめる方針だが、松本哲治市長が掲げる市民意見の集約に向けた課題も露呈した。
 ワークショップでは参加者がA、Bの2班に分かれ、「埋め立てで潮の流れが変われば生き物がすめない環境になる」「本当に物流ハブが成り立つのか需要予測の見直しが必要」「浦添らしさを生かした観光をどうイメージしているのか」などの懸念や指摘を自由に出し合った。
 意見を基にA班が作成した「海、その未来」の提案図は、サンゴ礁に囲まれたイノー(礁池)の自然観察をメーンとした体験型観光を浦添らしい観光として打ち出し、物流用地の見直しなどで埋め立て面積の縮小とイノーの保全を提示した。
 B班の「“潮の道”による環境共生型案」は、埋め立て敷地内に水路「潮の道」を通す出島方式を提案。ヨットハーバーも備えた運河によって潮流を確保するとともに、橋で渡る出島部分に観光客向けのリゾート環境を整備し、陸側には市民が利用する公園やキャンプ場を整備するといったゾーニングを図った。