百十踏揚の生涯描く 現代版組踊「momoto」


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「百十 momoto」を演じる湧田友里恵(左)ら=8月22日、浦添市の国立劇場おきなわ

 現代版組踊「百十 momoto」(藏當慎也脚本・演出)が8月22日、浦添市の国立劇場おきなわで上演された。観光客を引き付ける舞台作品を目指す県文化振興会の「沖縄芸能マグネットコンテンツ舞台公演(シップ・オブ・ザ・リュウキュウ)」の一環。「肝高の阿麻和利」の続編で、百十踏揚の勝連落城後の人生を描いた。

 百十踏揚(湧田友里恵)は夫阿麻和利が討たれた後、阿麻和利を討った大城賢雄(照屋大地)と再婚する。だが幸せは長く続かず、金丸(謝花こすも)が王位に就くと、旧体制側の賢雄らは弾圧される。
 せりふはやまとぐちで音楽も特に沖縄らしい曲ではない。県外の観客も分かりやすく沖縄の歴史に触れられる半面、より沖縄らしさを求める観客にとっては物足りないかもしれない。現代版組踊は教育や地域づくりに大きな役割を果たしてきた。そこから踏み出して観光客や舞台を見慣れた客などに見せる場合、より工夫が必要ではないか。
 10月17日に同劇場で再演される。問い合わせはタオファクトリー(電話)098(983)0144。