「ボイスラボ」昔うちなーいざなう 民話、食を朗読


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澤井毎里子(右)の笛に乗せて朗読する諸見里杉子=8月21日、カフェ沖縄式

 朗読者・ナレーターの諸見里杉子らによる朗読会「沖縄ボイスラボ ショート・ストーリーズ」が8月21日、那覇市のカフェ沖縄式で催された。ボイスラボは2004年に始まり、10年を迎えた。今回は若手の朗読ユニット「こえみち団」と諸見里が沖縄の民話や食に関する話を朗読した。心地よい音楽とともに昔うちなーにいざなった。

 第1部は「琉球シャンソン」をテーマに活動する桃南(もな)(歌・ピアノ)を客演に迎えた。こえみち団の久米あやの、大城たけや、大湾ひろこが「人魚の話」などの民話を朗読した。第2部は琉球古典音楽安冨祖流絃聲会教師(笛・三線)の澤井毎里子を客演に迎え、諸見里が「料理沖縄物語」(古波蔵保好作)を朗読した。
 諸見里は「料理-」から三つの話を朗読した。「那覇女の名物饅頭(まんじゅう)」では表現豊かな文章と声、音楽から、おいしそうな「天妃前(てんぴぬめー)饅頭」と市場の光景がありありと浮かぶ。尚順男爵に古酒でもてなされる「古酒一献頂戴仕(つかまつ)る」では、上質な泡盛を口にしたように心地よく語りに酔った。
 古波蔵は首里出身。沖縄、県外で新聞記者として働いた。澤井は首里から旅立つ「上い口説」や郷愁の念を込めた「浜千鳥」を演奏し、彩りを加えた。
 諸見里は「11年目に向けていいスタートを切れてうれしい」と話した。