野菜高騰 天候不順で1.5~2倍 小売店「少量化」し抑制


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県外の記録的大雨や日照不足で収穫が減少し、通常より値段が約2倍前後高騰している野菜=4日、那覇市のマックスバリュ 

 県内の野菜価格が通常の1.5~2倍に高騰している。記録的豪雨や日照不足で、キャベツやレタスの主産地長野県や群馬県からの入荷減少が続いているからだ。さらに台風8号の影響を受けて、ゴーヤーや小松菜など県産葉野菜も品薄となり高騰に拍車を掛けている。県内のスーパーは、少量化やばら売りなどで、小売価格の高騰を抑えようと躍起になっている。

 県内産野菜は、冬から春にかけての出荷を目指し計画栽培している。猛暑が続く夏場は県外産に頼らざるを得ないが、ことしは県外の天候不順が直撃した。夏季レタスの販売価格は1玉当たり250円前後だが、ことしは350円前後を推移し、400円台を突破しそうな勢いだ。
 沖縄協同青果(浦添市、名嘉重則社長)の県外野菜担当者は「特にレタスの入荷が通常の半分程度しかない。例年1キロ当たり80~100円で取引されているが、9月現在130円前後で推移している」という。今後県外の天候が回復しても「日照不足で品質の低下は避けられないだろう」と懸念する。
 品薄が続いているため卸売業者は、年間契約した企業用に対する商品集めもままならない。レタスを使った料理を提供する飲食店にも影響が出ている。ある料理店は「8月中旬ごろから急に高くなった。通常の2倍ほどの仕入れ値だ。量も少ないが天候の影響か品質もあまりよくない」と語る。仕入れ先から今後も値上がりすると伝えられた。「今のところ販売価格への転嫁は考えていない」が厳しい状況が続いている。
 イオン琉球(南風原町、坊池学社長)は、生鮮野菜を中心に週末の朝市で、目玉商品を原価程度で提供している。一方、サンエー(宜野湾市、上地哲誠社長)は、野菜をカットして少量化することで消費者が買い求めやすい価格に抑えている。
 各社ともキャベツやレタスなどの入荷が九州産に変わる10月までは、県外産野菜の価格高騰は続くとみている。(上江洲真梨子)