バス利用が復帰後初めて増加 13年度2583万人に


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沖縄本島バス4社の輸送人員の推移

 県が沖縄本島のバス4社から聞き取った輸送実績によると、2013年度の利用者数が前年度比1・6%増の2583万9千人となり、日本復帰以降ずっと減少傾向にあったバス利用者が上昇に転じた。県交通政策課は、バスの現在地が分かるバスロケーションシステムやノンステップバス、「わった~バス党」の広報啓発活動など近年の利用促進策が奏功していると分析。さらに14年度も一層の増加を見込んでおり、2600万人以上となる見込みだ。

 県は沖縄バス、那覇バス、琉球バス交通、東陽バスから輸送人員数を聞き取った。沖縄総合事務局の運輸要覧によると1972年度のバス利用者は1億200万人いたが、年々減少し85年度には7700万人。2012年度には2544万人まで減り、13年度に上昇に転じた。県担当者は「緩やかだが回復傾向にある」と説明した。
 県は利用促進のために12年度からお年寄りにも乗り降りしやすいノンステップバスの導入を支援している。13年4月には4社共通のバスロケシステムを導入した。
 交通政策課の嘉数登課長は「バスロケで待ち時間にいらいらすることもなくなった。時刻表よりも早く通過してしまう早発もなくなり、運転手マナーもよくなったと評判を聞いている」と施策の手応えを話した。
 14年度からは「わった~バス党」で企業に呼び掛けて法人党員を増やし、バス利用を促す啓発活動も展開する。県の担当者は「今後はIC乗車券も導入する。13年度よりももっと大きく伸ばしていきたい」とさらなるバス利用増進に意気込みを見せている。(滝本匠)