県内最古の金銭か 首里城御嶽跡出土貝殻から見つかる


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大小1組で埋納容器とふたになっているチョウセンサザエの貝殻(1996年発見)の中から、ことし2月に発見された琉球の金銭(埋納銭)8枚

 県教育庁文化財課は5日、首里城御庭西側の「京の内」にある御嶽跡で1996年11月に出土していたチョウセンサザエの貝殻内部から、琉球の金銭(金でできた埋納銭(まいのうせん))8枚を発見したと発表した。貝殻を埋納容器として祭祀(さいし)用に利用したとされる例は国内でも初めてで、県は「常識を覆した初めての発見事例」としている。

 金銭は地鎮用とみられる。56年以降に発見されていた同種類の金銭17枚と比べても最古とみられ、発掘現場周辺の出土状況などから、金銭は15世紀中ごろのものと推定される。これまでは古くても15世紀末のものしか見つかっておらず、陶磁器に入った状態や石積みの下にある状態で出土していた。
 ことし2月に担当者が資料整理をしていた際、突然貝殻から金銭が落ち出たという。
 それぞれ直径2センチ前後の金銭8枚全てが、サザエの貝殻一つ(約7・5センチ)の内部に押し込まれており、別の小さなサザエの貝殻(約5センチ)でぴったりとふたがされていた。
 見つかった金銭8枚やサザエの貝殻などは、9月9日から西原町上原の県立埋蔵文化財センターで一般公開される。入場無料。