DV・ストーカー相談最多 県警まとめ


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DVの摘発件数

 DV(家庭内暴力)やストーカー事案に関わる相談件数が、2014年上半期(暫定値)で前年同期比56件増の419件と過去10年間で最多だったことが県警のまとめで分かった。そのうち60件を摘発し、保護目的などの出動もあった。

全国的にもDVやストーカーの犯罪件数は増加し、恋愛のもつれから殺人事件も発生している。県警は各署や他県警と情報を共有し、未然の犯罪防止を強化したい考えだ。
 県警によると、相談件数419件のうちDVが339件と全体の8割を占めた。DVで摘発した47件のうち約8割が傷害と暴行の容疑。6月にはうるま市で元交際相手の女性の腹部などを出刃包丁で刺す殺人未遂もあった。ストーカー事案は相談件数80件のうち、摘発は13件。住居侵入と脅迫が約4割を占めた。
 県警は、ことし4月に子供・女性安全対策課を設立し、各部署間で連動した「DV・ストーカー事案等対処チーム」を結成。本部と各署、他県警と連動して情報共有することで迅速に対応し、犯罪を未然に防止する体制が整ったとみられる。未然の犯罪防止のために(1)相談者への迅速な対応・助言(2)早期の捜査(3)相談者の保護(4)行為者への事前警告―などが効果を上げているとしている。
 相談者の携帯電話番号や住所などをシステム登録することで、110番通報があれば警察官が自宅に直行するなど、24時間体制で事案の対処に当たっている。県出身女性が実家に戻ってくる際、住民票の閲覧を制限し被害を防いだ事例もあったという。
 DV・ストーカー事案は当事者同士が親しい間柄であることが多く、被害者が被害届を提出しなかったり、警察施設への避難保護に応じなかったりする場合もあるという。DVの相談者と行為者との関係は婚姻関係が208件、内縁関係が49件、交際相手が34件。ストーカーでは交際相手(元も含む)が38件、配偶者(同)15件のほか知人・友人10件、職場関係などが5件、不明3件、面識なし2件だった。
 県警は「1人で悩まず相談してほしい。本人が報復を恐れてちゅうちょする場合は、家族など関係者が相談に来てほしい」と呼び掛けている。#9110で相談を受け付けている。
(阪口彩子)