事業所内保育増えず 県内39施設、過去5年横ばい


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
事業所内の保育施設数

 労働者が仕事中に職場で子どもを預けられる県内の事業所内保育施設数は、横ばい状態が続き、設置が拡大していない状況が県のまとめで分かった。観光、福祉など各業界で深刻化する人手不足の解消のために必要とされる働きやすい職場づくりには、仕事と子育てを両立できる環境整備が重要な要素だ。

国や県は、事業所内保育施設の設置へ支援を進めているが、支援制度の周知も含めて課題となっている。
 過去5年に県へ届け出た県内の事業所内保育施設は、2009年37施設(児童数658人)、10年35施設(776人)、11年37施設(835人)、12年35施設(597人)、13年39施設(660人)でほぼ横ばい状態で推移している。
 また、厚生労働省のまとめによると、全国の事業所内保育施設は、09年3988施設(児童数5万8千人)、10年4137施設(6万1千人)、11年4165施設(6万1千人)、12年4349施設(6万6千人)となっており、わずかずつだが、増えている。
 厚労省(県内は沖縄労働局)は事業所内で保育施設を設置、増築したり、保育遊具を購入した企業に対し、助成金を支給している。また、県は7月から事業所内保育推進コーディネーターを配置した相談窓口を那覇市泉崎に開設している。
 事業所内保育施設が拡大していない背景に関し、県子育て支援課は「県内では中小企業が多く、予算をかけて設置できる事業所が少ないのではないか」と指摘。「県としてもさらに支援を検討していきたい」と述べ、設置拡大へ取り組む方針を示した。
(古堅一樹)