「6次化」へ夢膨らむ 北部農林高、新商品開発に手応え


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 【名護】県立北部農林高校(中石直木校長)の寄合原農場(名護市)に加工施設が完成した。これまで畜産関係の飼育や農作物の生産といった「1次」分野が中心だった作業を、施設の整備により販売まで一貫した取り組みが可能になった。

生徒や教師ら関係者は「6次化に力を入れた取り組みができるようになった」と、新たな分野への挑戦に意欲が高まっている。畜産分野ではハンバーグやハムなど、農作物・果樹分野ではジャムやアイスなどオリジナル商品の開発も手掛けたいとしている。
 完成した加工施設は1階建てで、延べ床面積は約400平方メートル。畜産や農作物加工室のほか、作業に備えた男女別更衣室や教室など八つの部屋がある。北農高では従来、と畜した枝肉を引き取った後、民間業者に切り分けを依頼し、包装された状態の商品を受け取り販売する形を取っていた。今後はこれら中間の加工作業を賄えることになる。
 6月までに建物の整備をほぼ終え、現在は室内の備品を段階的に準備している。特に整備が進んでいる畜産加工室にはスライサーやボイル機、ミンチ機、大型冷凍庫などがあり、9日に初めて、同校が手掛けるブランド豚チャーグーの枝肉をスライスした。
 19日に同校で行うゆんたく市場でスモークチキンなどを製造販売し、11月の即売会では、さらに種類を増やし販促に努めるという。熱帯農業科畜産コースの下地成人教諭は「これまでの育てることに加え、加工作業を通し、幅広いニーズに応える商品展開についても学べるだろう。キャリア教育につなげたい」と期待を込める。
 生徒らも加工には関心が高く、畜産コースの潮平聖果さん(3年)や竹島萌さん(同)は「新しい加工機でどんどん商品を考案していきたい」と話す。大野由菜さん(同)も「ハンバーグやハム、ベーコンなど、いろいろ挑戦していきたい」と意欲を語った。

新たな加工施設が完成し、6次化へ意欲を示す北部農林高校畜産コースの生徒ら=12日、名護市名護の同校寄合原農場
導入した加工機を使いスライスしたチャーグー豚の肉