収容所埋葬地の遺骨収集を陳情 ガマフヤー、県議会に


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喜納昌春県議会議長(左)に陳情書を手渡す沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表=17日、県議会議長室

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は17日、県議会に喜納昌春議長を訪ね、戦後70年事業として、本島北部を中心に県内各地にあった住民収容所の集団埋葬地調査と遺骨収集、遺族への遺骨返還の実施を陳情した。

 具志堅代表によると米軍管理の収容所で多くの住民が栄養失調やマラリアで亡くなり、そのまま埋葬された。宜野座村内2カ所の埋葬地の死亡者名簿には、合わせて千人を超える住民が記載されているという。多くの遺骨が収容所で埋葬された一方で遺族らによる収骨数の記録はなく、いまだに地中に眠っている遺骨も多いとみている。
 具志堅代表は「遺族は高齢化している。収容所での犠牲者はウチナーンチュだ。県には『遺骨収集は国の責任だ』という従来の姿勢ではなく、自らのこととして取り組んでほしい。県民も一緒に関われる形を考えたい。県議会も声を上げてほしい」と要請した。
 喜納議長は「埋葬場所も分かるということなので収骨作業を県や市町村が行い、その費用を国に求めるような声掛けをしていこう」と述べ、前向きな姿勢を見せた。
 具志堅代表は、県にも同様の要請を行う。また普天間飛行場の移設工事が進むキャンプ・シュワブ内にあった大浦崎収容所跡にも遺骨が眠っているとして、沖縄防衛局に工事の中止などを近日中に求める予定だ。