過去・現在、沖縄の怒り表現 石川真生さん「大琉球写真絵巻」


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訪れた来場者に、「大琉球写真絵巻」の撮影秘話などを語る石川真生さん=16日、那覇市久茂地の市民ギャラリー

 写真家の石川真生さん(61)が、16世紀から今に至る琉球・沖縄の歩みを創作写真で描く「石川真生写真展―大琉球写真絵巻」が16日、那覇市のパレットくもじにある市民ギャラリーで始まった。

縦1メートル横30メートルの大型の布にプリントされた22作品は、「琉球処分」など過去の出来事と現在の基地問題とのつながりを感じさせ、強烈な怒りと存在感で来場者を圧倒した。入場無料。21日まで。
 作品群は穏やかな庶民の情景に始まり、薩摩侵攻や沖縄戦、辺野古の新基地建設などを約100人の友人らの協力を得て表現した。日本復帰を願う子らが日の丸を振る情景など自身の体験も交え、写真家として41年間向き合ってきた沖縄の“現実”を作品に込めた。
 石川さんは「植民地政策を続ける日本政府への怒りを一人の沖縄人として表現した。今の問題は400年前から見ないと分からない。多くの人に見てもらいたい」と願った。
 本部町から訪れた知念正作さん(35)、沙織さん(34)さん夫妻は「時代が変わっても問題の本質は変わっていないと感じた。自分たちが今後どんな物語をつくっていくのか考えたい」と述べた。
 問い合わせは市民ギャラリー(電話)098(867)7663まで。