南都丸「廃船の儀」 22年展示に感謝 南城


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球王国時代の進貢船を再現し、1992年から展示してきた南都丸。老朽化に伴い廃船が決まった=15日、南城市玉城のおきなわワールド

 【南城】おきなわワールドで22年間展示してきた南都丸の「廃船の儀」が15日、南城市玉城の同施設で関係者が参加して開かれた。船の帆を下ろす儀式や三線の奉納演奏などを行い、沖縄観光の魅力を伝えた南都丸に感謝の祈りを込めた。

 南都丸は1992年、玉泉洞開園20周年を記念して琉球王国時代の進貢船を再現し、総工費1億2千万円をかけて造られた木造船。全長31メートル、幅8メートル、総重量110トン。復元から22年が経過し、老朽化に伴い、廃船が決まった。
 同施設を経営する南都の大城宗直社長は「先人の偉業をたたえ、意思を引き継ぎ、これからも琉球の歴史文化を多くの人に伝えたい」とあいさつ。沖縄華僑華人商工連合会の張世險峰会長は「琉球は中国と交流があり、親近感を持っている。友好関係を持てるようにこれからも懸け橋として頑張りたい」と決意を込めた。
 国指定重要無形文化財琉球古典音楽保持者(人間国宝)の照喜名朝一さんが南都丸の船上で「散山節」を演奏し、廃船を惜しみつつ感謝の気持ちを歌に込めた。
 施設内で開かれている企画展「大交易時代と進貢船」、南都丸の見学はともに30日まで。大人620円、中学生以下310円の入園料が必要。