伊江島の民話を発刊 イージマグチ、CDも


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 【伊江】伊江村教育委員会(宮里徳成教育長)はこのほど、イージマグチ(伊江島方言)でまとめた「いーじまぬ んかしばなし 第1集」(伊江島の民話)を発刊した。民話は、1964年から50年間にわたりイージマグチを調査研究している広島経済大学の生塩睦子名誉教授(73)が監修。13人の協力者が方言調査に関わり、表紙と挿絵は村出身の画家・知念登治さんが描いた。

 昔から語られた話を収集した「伊江島の民話」(同委員会刊行)をもとに、方言調査の協力者とともに、語りやすい話にまとめた。
 若い世代にもイージマグチで民話を語ってもらいたいという願いも込めて作られた。
 「山ぬ木守らたる神様」「マーガぬ由来」など五つの民話がまとめられ、左ページはイージマグチ、右ページは日本語で書かれている。語り手のCD付きで、聞きながら声に出して練習し、子どもたちに聞かせることもできる。
 昨年2月には「イージマグチ五十音表」を完成させ、村内の児童生徒に配布した。
 宮里教育長は「イージマグチを声に出して語れるよい教材だ」と太鼓判を押す。生塩名誉教授は「小さいころから民話を聞いてイージマグチに親しんでもらいたい」と語った。
 民話は毎年1冊ずつ、シリーズとして刊行する予定。同村教育委員会、伊江港内の物産センターで1冊千円で販売している。(金城幸人通信員)

「伊江島の民話 いーじまぬ んかしばなし 第1集」
「伊江島の民話」の完成を喜ぶ生塩睦子名誉教授(前列中央)と村内の方言調査協力員ら=18日、伊江村農村環境改善センターホール