【伊江】公立中学校の校長を務めるなど長年にわたり教育現場で活動してきた知念吉正氏(76)がこのほど、70余年の軌跡を集積した自分史「轍(わだち)」をMBE那覇松山店から出版した。
自分史は280ページの3部構成。第1部は「36年教職のあゆみ」として、教職生活の集大成が記されている。
第2部では「加齢なる日々」と題し教職を去った後の交友録や故郷、孫との交流が記されている。
「自分さがしの旅」と題した第3部は、知念家一門(上城(ウィーグスク)一門)の系図があり自分のルーツを探る。また、戦中戦後の一族の戦跡も克明に記録。自立への旅路の章では高校時代、大学時代を振り返っている。
「いつか来た道」の章では「集団的自衛権」が戦争への道にならないよう関心と監視の目を持ち続けたいと今の政治への苦言を呈している。
文にちなんだ写真が随所にふんだんに活用され「読む自分史」から「見る自分史」として編集されている。
知念さんは「思い出した言葉を忘れないうちにパソコンに打つ。その言葉を紡ぐ作業が作家になったようで楽しかった」と振り返る。
また、この書は「教え子・教友・知友・郷友・縁者の共戦の譜であり共に歩んだ『轍』の後である」と述べている。氏の交友の広さ、深さを思わせる。
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(知念光江通信員)