陸自配備、住民投票へ 与那国町議会 野党が多数派に


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 【与那国】7日の町議選で与野党が3対3の同数となった与那国町議会で29日、議長選挙があり、くじの結果、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備を推進する外間守吉町長を支持する与党の糸数健一氏(自民)を新議長に選出した。議長を除く議席構成で多数となった野党側は自衛隊配備に反対しており、配備の是非を問う住民投票の関連条例を制定する構え。年内にも住民投票を実施したいとしている。

 与那国町では昨年8月、自衛隊配備推進の外間氏が町長選で接戦を制して3選を果たしたが、配備に対する住民の反対は根強く、配備問題をめぐり住民が二分している。
 野党の田里千代基氏は取材に対し「多くの人が住民投票を求めており、これまで行われなかったことが問題だ」と述べ、住民投票の必要性を強調した。
 野党は10月上旬の9月定例会閉会後、配備に反対する町改革会議などと協議し、10~11月ごろに条例制定に向けた臨時会を招集する方向で検討を進める。
 29日の定例会本会議では無記名投票で糸数氏と野党の崎元俊男氏がそれぞれ3票と同数だったため、地方自治法の規定に基づき、くじが実施された。最初のくじでは崎元氏が選ばれたが、崎元氏は辞退。糸数氏は2回目のくじで選ばれ、議長を了承した。今後野党の主導で条例案可決が可能となることについて、外間町長は取材に対し「話すことはない」とコメントした。