太陽光新規接続を中断 沖電、全国初の上限超過


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 沖縄電力(浦添市、大嶺満社長)は30日、受け付け済みの再生可能エネルギーの接続可能量が上限の310メガワットを超過したと発表した。上限を超えたことで、一部離島を除く県内のほぼ全域で、住宅用太陽光(出力10キロワット未満)を含む全ての再生可能エネルギー設備の新規接続ができなくなった。接続可能量の上限超過は全国で初めて。

 沖電はことし4~7月にかけて、再生可能エネルギーの接続可能量が限界に近づいているとして、太陽光発電設備の新規申し込みを一時保留した。7月31日、4月以降の新規申し込みの接続は可能と発表すると同時に、8月以降の接続は難しくなるとの見通しを示していた。
 30日、同社は8月8日以降の申し込みついては、限界量を超過したため新規接続は不可能になったと発表した。
 今後の追加接続については、太陽光発電施設の設置者が電力需要が少ない2~4月の太陽光発電出力を抑制することや、蓄電池を設置して昼間全量充電した電力を需要の多い夕方以降に出力することなどを承諾した場合に限って、接続が可能になることがあると説明している。
 県内の太陽光の接続申し込み件数は、2013年度末の消費税増税と売電価格の変動に伴う駆け込み需要で増加。13年3月末の太陽光発電の接続量は約68メガワットだったが、14年3月末には約143メガワットと倍増した。

<用語>沖縄の電力系統
 沖縄本島の電力系統は、他電力会社と広域連系していない小規模・単独の系統となっている。他社との電力融通が不可能なため、需要と供給のバランスが崩れると、出力が変動し、安定した電力を提供することができない。再生可能エネルギーは、雲の通過や風力の変化などで出力や周波数が急変し不安定なため、その変動を火力発電機で補い安定供給を図る。供給側で調整できない再生可能エネルギーが多くなると供給量全体が需要を上回り、周波数が上昇して停電など安定供給に支障が生じる。それを防ぐため再生可能エネルギーの接続できる量に限界を設けている。

※沖縄電力資料より
※沖縄電力資料より