共同売店、情報共有の場 沖国大生、役割や意義学ぶ


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与那共同店を訪れた国頭村フィールドワーク参加者ら=9月27日、国頭村与那

 【国頭】沖縄国際大沖縄経済環境研究所は9月27日、国頭村フィールドワークを開催し、各地の共同売店の役割などを学んだ。与那共同店が住民の憩いの場や情報共有の場となっている現状と共同売店を中心とした地域活性化の取り組みについて、区民から現状を聞いた。

参加した学生や市民19人は、人口が減る中で共同売店が在り続ける意義をあらためて確認した。
 経営を通して過疎や貧困などの社会問題を解決しようとする社会起業について学ぶ授業の一環。地域活性化を目指すユナムンダクマ協議会の大城靖さん(54)と与那共同店主任の辺野喜オリエさん(55)が地域での取り組みを紹介した。大城さんは「商品販売だけじゃない。高齢者の憩いの場や住民の情報共有の場になっている」と強調した。
 与那区は豊かな自然や独自の風習を活用した集落散策ツアーを年に2、3回行う。ツアーの問い合わせや受け付けを与那共同店が担当している。足を運んでもらうことで店の存続につながり、ツアー運営の人件費負担も軽減できるという。
 今回の参加者も集落散策を体験した。大城さんが地域の風習や文化を残す取り組みを紹介すると、参加者は熱心に耳を傾けていた。大城さんは「普段何げなく暮らす地域は紹介の仕方によって宝物になる」と話した。与那区は定期的なツアーのほか、10人以上の団体から依頼がある場合に案内を行っている。
 沖縄国際大3年の神里圭太郎さん(20)=那覇市=は「こんな良い場所を知ることができ良かった。大学に戻ったら友人にも紹介して、少しでも活性化に役立ちたい」と目を輝かせた。南風原町の赤嶺明美さん(64)=主婦=は「過疎はどの地域も避けて通れない課題。若者が熱心に学ぶ姿に感動した」と語った。参加者は辺野喜共同店も訪れ、共同売店が果たす役割について理解を深めた。