大東宮祭にぎやかに 北大東、沖縄と県外の文化融合


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 【北大東】住民の健康と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する北大東村の伝統行事「大東宮祭」が9月22、23の両日、同村で行われた。大東宮は開拓当初から天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭り、島の産土神として村民に信仰されており、例祭として継承されている。

祭りでは祭事やみこし巡業、奉納相撲、奉納演芸など本土と沖縄の文化が融合した独特の催しが披露された。
 初日の22日はだんじりから太鼓ばやしや鐘の音が鳴り響く中、小学生から一般と連なった3基のみこしが大東宮を出発し、「わっしょい。わっしょい」と威勢のいい掛け声とともにみこしを担ぎ、製糖工場、電業所、農協、村役場を巡った。
 2日目の23日は、大東宮境内で奉納相撲が催された。幼稚園児から小学生、中学生の取組が行われ、5人抜きや3人抜きなど元気な取組に盛んな声援が飛び交った。
 一般の部では、久米島町からの招待選手も参加、江戸相撲や沖縄角力で力強い取組が展開された。江戸相撲で浅沼拓道(北大東)が5連覇を達成した。沖縄角力は軽量級・無差別級ともに仲村昭平(久米島)が優勝。観衆を沸かせた。
 今年の祭りには島外から帰省した人も多く、1949(昭和24)年生まれの同級生9人が参加した。中学卒業以来50年ぶりに祭りに参加した東京都在住の南山絹江さんは「当時と様変わりして寂しいけど、よく使っていた井戸を見つけほっとした」と、懐かしそうに話した。(上地順子通信員)

威勢よくみこしをかつぐ祭り参加者=北大東村
祭りを機に帰省した1949年生まれの同級生ら