育児、ママと楽しく 那覇市で「パパの学校」


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子育て経験談を聞き、子育てについて互いに意見を語り合う参加者ら=28日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 「妊娠や出産、子育てをママと楽しくやっていくためにパパが知っておきたい5つのこと」をテーマに、「パパの学校」(お父Ring沖縄主催)が9月28日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで始まった。

5回プログラムの初日はファザーリングジャパンのメンバーで西原町役場の熊本浩平さん(35)が、自らの育休や子育て経験を紹介。「仕事か家庭かの2択ではなく、『仕事も家庭も地域も』と欲張ってほしい。父親が変われば家庭、地域、企業、社会が変わる。父親であることは楽しい」と語り掛けた。
 パパの学校は昨年に続き2度目の開催。この日は子育て中の男性や出産を控えた夫婦ら8人が参加した。参加者同士が互いに意見を交わし、交流を深める場面もあった。
 4歳、1歳の子どもがいる熊本さんは、共働きの妻と交代する形で半年ずつ育休を取得した。周囲に男性の育休取得者が少なく、「パパ友」とつながれずに孤独を感じた経験や、子育て支援センターや児童館など「ママと子どもの世界に入るのが怖かった」との思い出を楽しげに報告した。
 復職後は午後6時までに子どもを保育園に迎える必要がある上、子どもが発熱を繰り返す状況の中「夫婦でできるだけ情報を共有して不慮の事態に備えた」と話した。「苦労してきた女性職員から仕事の工夫を教えてもらうなど、先輩ママからサポートや応援をもらっている」と感謝した。
 熊本さんは、子育ては予想外の出来事が起き、何をするにも時間や手間が掛かることを説明した上で「育児は仕事の質を向上させる」と断言。「仕事を『見える化』しておかないと事態の急変に対応できない。周到な準備などタイムマネジメントや、いざという時に備えるリスクマネジメントの能力を向上させる」と語り、子育て経験が仕事に役立つことを強調した。
 子育てについて夫婦で話し合うことが絆を深めることも指摘し「夢や目標を一緒に考え、育児を通じて夫婦のコミュニケーションを深めてほしい。パパ友とも貪欲につながってほしい」と述べた。妻に対しては「場数がものをいう。褒めてあげて、やらせてあげてほしい」と要望した。
 第1子の出産を12月に控える石川修さん(30)は近く始まる育児に向け、「漠然と思っていたことが具体的になった。子育てでは『手伝い』じゃなく『協力』していきたい。参加して良かった」と笑顔。妻の茜さん(30)は「出産前に人生における仕事の位置付けや、人生の目標を確認し合えたらより楽しく子育てできそう」と語った。
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 「パパの学校」は10月12、26日、11月9、30日の各午前10時~正午まで。参加無料。夫婦で参加できる。予約すれば一時保育も可能。定員は20人。申し込みはatsuyasama@gmail.comまで。問い合わせは(電話)090(7398)7460。