南風原高体育コース 最後の「集団行動」披露


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 県立南風原高校(棚原秀則校長)の体育祭が9月27日に行われ、本年度で廃止される体育コースの生徒が「集団行動」を披露した。一糸乱れぬ行進、整列、体操などで圧倒的な演技を見せた。

多くの生徒や教職員には“極秘”で、夏休みから早朝練習や合宿を重ねてきた。観客からは一つ一つの動きに歓声や拍手が送られた。
 体育コース3年4組の26人が演技した。全員が号令を掛け合いながら、一瞬のうちに体操隊形に開き、分かれた2列が走りながら交差したり、後ろ宙返りを5人同時に行ったりするなどの技を連発した。
 集団行動は体育コースが代々行っており、伝統に終止符を打った。コースは近年、定員割れが続いていた。
 演技を終えて代表あいさつをした我那覇孝之助君(18)は、声を詰まらせながらアドリブで気持ちをぶつけた。「最後の体育コースとして約2カ月間、みんなで一丸となって練習し、披露できた。(支えてくれた)担任や副担任、家族に本当に感謝している」と話すと、全員で大きく一礼した。
 演技の後は一様にすがすがしい表情を見せていた。諸見一彰君(18)は「練習を通してチームワークが高まった」とやり切った様子。練習を見守ってきた担任の大城由美子教諭(41)は「特に夏休みが明けてから生徒の意識も向上していった。今までにない最高のパフォーマンスだった」とねぎらった。初めて演技を見た3年の幸地洋香さん(17)は「最後の代ということもあり、今までの集団行動で一番感動した」と話した。
 体育コースは来年2月、最後の授業として沖縄本島を縦断する駅伝に挑む予定だ。

体育祭の「集団行動」で後ろ宙返りを披露する南風原高校体育コース最後の学年の生徒=9月27日、同校
体育祭の「集団行動」で4列同士が行進し、ぶつからずに交差する南風原高校体育コース最後の生徒