工芸に新たな価値 琉球藍用い自社ブランド


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新しい自社ブランド「アイムン」の琉球藍染めトートバッグをPRする、ゆいまーる沖縄の鈴木修司社長=2日、浦添市の同社

 琉球ガラスや焼き物などの卸・小売を手掛けるゆいまーる沖縄(浦添市、鈴木修司社長)が、伝統工芸品の新たな価値の創造に取り組んでいる。6月には琉球藍を使った自社ブランド「aimun(アイムン)」を発表。

デザイナーや職人との共同開発でデザイン性を高め、琉球藍に親しみの薄い30~40代をターゲットに据える。日常生活で使う商品を提案することで県内外に沖縄ブランドをより定着させ、伝統工芸の長期発展につなげる。
 アイムンには8種のトートバッグ(税抜き2万4千円)と4種のストール(同1万8500円)がある。県外ではセレクトショップなど2店舗、県内では宜野湾市のギャラリーショップ「kufuu(クフー)」で扱っている。今後県外10店舗、県内5店舗を目指す。
 布を琉球藍の深い青色で染め、柄は沖縄特有の「花ブロック」をあしらった。デザインはデザイナーの佐治俊克氏、製作は工房「藍風」(本部町)の城間正直氏が務めた。
 鈴木社長は「5、6年前まで沖縄の工芸品はほとんど土産品店にしか並んでいなかった。『沖縄ブランド』で買ってもらうよりも、デザインで選ばれれば長く使われる」と商品開発におけるテーマを語った。
 自社ブランドの開発は2011年に開始した。第1弾の「nife(ニーフェ)」は、高級感を演出する藍色の唐草模様を描いた陶器。12年に立ち上げた「健やかな暮らし」がテーマの「serumama(セルママ)」は、鮮やかな琉球ガラスや落ち着いた色彩の陶器などがある。
 鈴木社長が目指すのは「沖縄経済の自立」だ。将来的には海外への商品展開も見据える。「地元の人が沖縄の工芸品に誇りを持たないと、海外客に良さが伝わらない。今後も新商品開発を通し、沖縄工芸品の新たな価値を掘り起こしていきたい」と力を込めた。