修学旅行で民泊好調、伊江村にぎわう 経済貢献、PR効果も


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民泊体験を終え、フェリーから伊江島の「両親」に手を振る長野県の高校生=9月26日、伊江港

 【伊江】秋の修学旅行シーズンを迎え、伊江村は連日、県内外からの修学旅行生でにぎわいを見せている。中でも滞在型観光として県外の中学・高校を対象とした民泊事業が好調に推移している。本年度は伊江島観光協会(金城盛和会長)とTAMAレンタ企画(玉城堅徳社長)で計300校、延べ約5万7400人(連泊含む)の民泊を見込んでおり、昨年度より5校、約4300人の増加となっている。

 民泊事業の内訳は、同協会が140校、約3万900人。TAMA社が160校、約2万6500人。実働する受け入れ民家は同協会で120軒、TAMA社が110軒ほど。
 民泊事業に伴い、受け入れ民家をはじめ、村内のスーパーやコンビニ、各商店では食材や土産品の購入など大きな経済効果が生まれ、伊江島を全国にPRする認知度の向上につながっている。
 ほとんどの学校が1泊2日の日程だが、近年では1泊では物足りず、2泊する連泊も増えている。中には4泊する学校もあるという。
 短い時間で伊江島の“両親”と家業体験や食事を共にして楽しいひとときを過ごす。離村時の伊江港では互いに抱き合い、握手を交わし、また伊江島に帰ってくることを約束して「行ってらっしゃい」と受け入れ民家が見送る。生徒たちも「行ってきます」と手を振り、涙を流す生徒もいる。
 この光景は毎朝のように見られ、フェリーの汽笛が鳴る。午後の便では再び別の高校が訪れ、入村式が行われる。
 最近では民泊を体験した生徒やその家族が手紙を送り、数年後に学生や社会人となって、再び島の両親を訪ねるリピーターが増加している。2団体は今後も受け入れ民家の質の向上を図り、リピーターを増やす取り組みに努める。
(金城幸人通信員)