民泊が縁で伊江移住 夢はダイビング店


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夢実現に向けて挑戦する小松原豪二さん=伊江村東江前のダイビングショップ「SEA MONKEY’S」

 【伊江】「伊江島で夢をかなえる」。海の仕事に憧れ、16歳で大阪の親元を離れ、島のダイビングショップ「SEA MONKEY’S」(安村晃伸代表)に住み込みで修業をしている小松原豪二さん(18)。地域住民の温かさと豊かな自然に見守られ、夢の実現に向けて充実した日々を送っている。

 島での生活を始めたきっかけは、中学3年生の修学旅行で訪れた民泊体験だった。当時、民泊には抵抗があったというが、受け入れ民家の温かさと釣りなどの自然体験が、豪二さんの気持ちに強い刺激を与えた。
 「島の生活に触れ、全てが変わった。中学時代、多くの人に迷惑を掛けたが、夢があるから変われた。今は充実している。感謝」と話す。
 豪二さんは海に潜ることに興味を持ち、小学4年生のころから「漁師」を夢見ていた。民泊体験の時、受け入れ民家から送気式潜水法があることを教えられた。
 「潜りたい」という思いで、民泊体験からわずか2カ月後の夏休みに受け入れ民家を訪ねた。その後も冬休みや卒業後にも何度も島を訪れ、海に潜った。漁船に乗り漁も経験した。
 2年ほど前、意を決して来島。安村代表に出会い「潜りたいならダイビングの道もある」と薦められた。潜水士、小型船舶2級、ダイビングのライセンスなどを取得。修学旅行生などのマリンスポーツ体験を担当し「島でダイビングショップを開く」と夢を語る。
 母校の後輩が民泊体験で来島した際「今ある当たり前のことを大切にしてほしい」と熱く語った。恩師も見守った。
 伊江島の民泊体験が、一人の少年の夢を広げた。
(中川廣江通信員)