良生君に善意リレー 美優さん救う会が1億2500万円


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募金箱を作る支援者たち=8日、北谷町のらい君を救う会事務局

 2011年、米国で心臓移植を受けた要美優(かなめみゆ)さんを支援した「美優ちゃんを救う会」は8日までに、募金の余剰金1億2500万円を心筋炎後心筋症を患う松島良生(らい)君(12)の米国での心臓移植手術を目指す「らい君を救う会」に寄付することを決めた。

8日までに集まった寄付金と合わせると、渡航前に支払う必要がある移植の受付金1億6200万円に達することになる。目標額2億1500万円には足りないため、らい君を救う会は今後も募金を呼び掛ける方針。
 美優ちゃんを救う会の船越敬司共同代表(50)=うるま市=は「県民から預かったお金なので最大限生かすべきだと考えた」と寄付の理由を説明。美優さんを救う会は10年12月から募金活動を始め目標額を上回る約2億6970万円が集まっていた。救う会の規約は、原則3年間、美優さんの術後の経過が安定するまで余剰金を凍結すると定めている。手術から3年たったことし4月、余剰金をどうするか話し合った際、「県内で心臓移植が必要な子がいたら寄付しよう」と決めていたという。船越共同代表は「らい君を救う会の募金活動が軌道に乗ったころに寄付し、活動を後押ししたいと考えていた」と説明した。
 美優ちゃんを救う会から電話で寄付の意向を聞いた救う会の當山悠耶共同代表は「不安な気持ちもあった。この電話で希望がつながった」と力を込めた。電話の後、事務所にいたスタッフみんなで涙を流したという。當山みゆき共同代表は「たくさんの県民の思いで、良生の心臓移植に一歩近づいた」と感謝した。
 船越共同代表は「目標に近づいたとはいえ今後も支援が必要。一日でも早く良生君が渡米できるよう、これまで以上に協力を」と呼び掛けた。(明真南斗)