命どぅ宝、サンゴも宝 「辺野古の海」写真展


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辺野古の海の生物多様性について語る、左から牧志治さん、新藤健一さん、棚原盛秀さん=9日、那覇市天久の琉球新報社

 県内外で活動する水中写真家、県内2紙の報道カメラマンの14人が撮影した「辺野古の海」写真展(同実行委員会主催)が15日まで那覇市天久の琉球新報社1階ギャラリーで行われている。

写真展に出展している写真家の新藤健一さん、棚原盛秀さん、牧志治さんが9日、会場で名護市辺野古の海への思いや写真展開催の意義について意見を交わした。3氏は「辺野古の海中にあるサンゴや生物の豊かさを写真で見たことのある人は、地元の沖縄でもまだ少ないと思う。広く知ってほしい」と来場を呼び掛けた。
 会場にはサンゴやジュゴンから市民運動、米軍の演習の様子を撮影した作品が時系列で並ぶ。
 新藤さんは「これまでの経緯から現在の状況までを概観できる。物語性を感じてもらえると思う」と話し、米軍による土地の強制接収にあらがった島ぐるみ闘争を例に「“命どぅ宝”と言うがサンゴも宝だ。海も守らなければならない」と語った。
 棚原さんは米軍普天間飛行場の移設先に辺野古が浮上してから1998年に仲間と写真展を開いて以来、辺野古を撮り続ける。「自然豊かな山から多くの川が注ぎ、素晴らしい生物多様性を持っている。その海が基地に壊されようとしている」と危機感を募らせる。
 牧志さんは辺野古の海の特徴を「サンゴは98年の大規模な白化現象からの回復が早かった。濁りがあるが、プランクトンが豊富で生き生きとした海である証拠だ」と語る。
 新基地建設には「基地を減らすために新たな基地を造るのは矛盾している。ただ政治的な視点からだけでなく、貴重な種が多く見つかっている命の宝庫であることも訴えたい」と強調した。