全11大学が単位互換へ 県内初の共同体を設立


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 県内全ての国公立・私立の大学・短大と国立沖縄工業高等専門学校、沖縄科学技術大学院大学の計11校が、共同体「大学コンソーシアム沖縄」を9月に設立したことが14日までに分かった。24日に設立総会を沖縄科学技術大学院大学で開く。

コンソーシアム設立で、単位互換や共同研究などを進め、世界に通用する学生の育成に力を入れるほか、教員向け研修や社会人向け講座の開設、小中学校の教育現場との連携に取り組み、大学が中核となった社会全体での人材育成環境整備を目的にしている。高等教育機関全11校が共同体を構築するのは県内初。
 コンソーシアムは、二つ以上の団体が共通目標に向け作業する組織。「大学コンソーシアム沖縄」は9月26日に一般社団法人として登記された。代表を名桜大学前学長の瀬名波栄喜氏、副代表を大城肇・琉球大学長が務める。その他の各大学学長は理事となる。
 共同研究や単位互換は、これまでも各大学が個別に連携協定を結ぶなどして実施してきたが、県内の高等教育機関全11校が連携することで、より多様な分野での研究・活用や、幅広い枠組みでの人材育成が可能になる。
 この他、11大学の学生が集まり社会の課題などについて議論する学生サミット開催や、将来的には留学生派遣に向けた共同での奨学金創設も目指す。
 事務局長として設立準備を進めてきた沖縄科学技術大学院大学・学術交流コーディネーターの日笠誠氏は「一つの大学ではできなかったことも、11大学が結束することで可能になる。各大学それぞれの強みを生かして取り組んでいきたい」と話した。日笠氏は、コンソーシアム活用の一例として、外国人研究者が多数在籍する科学技術大学院大学の特性を生かし、外国人研究者を各大学の英語の授業にアシスタントとして派遣し、学生の英語力向上を図る案などを挙げた。
 大学同士の共同体の構築は全国的に既に進んでおり、県内では2年ほど前から設立に向けた作業が進められていた。(仲井間郁江)