はえ縄切断被害1170万円 来週にも米軍に請求


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 県内のマグロ漁船のはえ縄が切断され、米海軍の音響測定艦インペッカブルの関与が疑われている問題で、漁業者側が米軍に求める被害総額が約1170万円に上っていることが17日までに県漁業協同組合連合会(国吉真孝会長)の調べで分かった。県漁連は来週中に被害の証拠物件などを精査して最終的な被害総額を確定し、請求書を米海軍法務部へ送付する。

 県内のマグロ漁船は5月から6月にかけて、沖縄本島近海ではえ縄を21回切断された。県漁連は、被害を受けた9隻の船長と面談し、各漁協が算出した被害請求額をまとめた。内訳はマグロ漁で使用するはえ縄などの切断、紛失による財産賠償が452万4486円、漁具被害の影響による休業の賠償額は721万4255円となった。
 県漁連は15日、防衛省に請求書の英訳を依頼。防衛省は17日、英訳した請求書を県漁連に送付した。県漁連からの依頼について防衛省は「可能な範囲で対応していきたい」との意向を示している。県漁連は、請求額を確定し請求書の英訳を防衛省に再度依頼する。
 県漁連の国吉真孝会長は「被害結果をまとめて送ることで、米国がどういう姿勢で対応するのか期待して待っている」と話した。