沖縄文化協会賞 小松、世良、本永氏に 復帰研究など評価


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(左から)小松寛氏 世良利和氏 本永清氏

 【東京】沖縄学の研究者を対象にした第36回沖縄文化協会賞が18日、東京都新宿区の早稲田大学で発表された。比嘉春潮賞(歴史・民俗)に日本学術振興会特別研究員の小松寛氏(33)=東京都在住、仲原善忠賞(文学・芸能)に岡山理科大学非常勤講師の世良利和氏(57)=岡山県在住、金城朝永賞(言語・人類)に琉球大学非常勤講師の本永清氏(66)=宜野湾市在住=が選ばれた。

授賞式は11月22日午後1時から早大国際会議場で開かれる。
 小松氏は「戦後沖縄における帰属論争と民族意識-日本復帰と反復帰」を出版するなど、復帰問題をテーマに研究したことが評価された。小松氏は「身に余る賞で光栄。今後は復帰後の沖縄と日本政府の関係性を研究したい」と意気込んだ。
 世良氏は「沖縄映画」というジャンルを確立して近代沖縄映画研究の基礎を築き、関心を広げたことが評価された。世良氏は「多くの沖縄の人に助けられ研究することができた。沖縄からの移民が多いハワイや南米などでの沖縄映画についても調べたい」と喜んだ。
 本永氏は「宮古の自然と文化を考える会」の中心メンバーとして、宮古島市の市史編さんに携わるなど宮古の民俗研究に大きく貢献していることが評価された。本永氏は「方言、民俗、文化などが豊かな宮古を少しでも記録し、後世に残していきたい」と抱負を述べた。