“補償型政治”脱却を 対外問題研、基地問題打開へ討議


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基地問題への新たな視座を提起したシンポ「沖縄の今」の登壇者=18日、宜野湾市の沖縄国際大学

 沖縄対外問題研究会主催のシンポジウム「沖縄の今 世界が問うていること」が18日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。140人が駆け付けた。県内の有識者6人が登壇、辺野古新基地や東村高江ヘリパッド建設が進む米軍基地問題打開のため、「基地がなければお金が入らない」といった“押し付けられた常識”を超える、21世紀の新たな視座をそれぞれの立場で提起した。

 星野英一琉球大学教授は基地と開発の視点から「沖縄側で基地のない沖縄を実現する意思を持ち、(アメとムチの)補償型政治に勝てるかどうかが大切だ」と語った。
 新崎盛暉沖縄大学名誉教授は、革新勢力の衰退、保守勢力が分裂した政治状況の沖縄で「辺野古反対の最大公約数は一致している。権力側に要求するだけでなく、反基地以外の課題も含め重層的な最大公約数を形成するための民主的討議の訓練が必要だ」と提起した。
 佐藤学沖縄国際大学教授は、戦後沖縄史の認識を持たない学生が圧倒的に多いと言い「彼らが社会の中枢となる前に(中高年世代は)事実を話し、説明してほしい。県や市町村次元で戦後史や現代史教育を実施するべきだ」と提示した。
 このほか桜井国俊沖縄大学名誉教授、佐藤学沖国大教授、高嶺朝一前琉球新報社長が登壇した。研究会代表の我部政明琉大教授が司会を務めた。