自己決定権や辺野古を議論 島々連絡会が発足


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「琉球の島々文化連絡会」設立会のトークセッションで発言する研究者ら=19日、県立博物館・美術館

 専門分野や地域を越えて連携し、琉球諸島の自然や文化を次世代に継承するために活動する「琉球の島々文化連絡会」の設立会が19日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。

研究者らが米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設や、沖縄の自己決定権などを題材に議論。政治潮流にも影響する沖縄の文化力の重要性を確認した。
 高良鉄美琉球大法科大学院教授は基調講演で「危機的状況にあるうちなーぐちをはじめとする文化的収奪に加え、沖縄は統治者の政策が優先されて本来の文化が押さえ付けられる文化的占領の状況にある。辺野古はその典型的な例だ」と指摘した。
 トークセッションで、歴史学者の豊見山和行さんは「後世に何を残すかを考えた時、民意が無視され続ける辺野古の状況を刻んだ石碑を建ててはどうか」と提案。考古学者の安里進さんは「先祖から受け継いだ琉球・沖縄人というアイデンティティーが今の民意の根幹となり、力の源泉になっている」と強調した。トークには安里英子さん(ライター)、友知政樹さん(数理行動科学者)も参加した。