ホクガン、ベトナムに水産加工場検討 来沖の省長と協議


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 食品製造・販売のホクガン(那覇市、上原武市会長)がベトナムで水産加工工場を建設する方向で調整を進めていることが22日分かった。マグロの缶詰加工などを想定している。

同日、上原会長は来沖したベトナム・ビンディン省のレ・フュウ・ロック省長と会談し、工場建設について協議した。レ省長は「ベトナム進出計画が確立できるよう支援していく」と話した。
 候補地は複数カ所あり、既に8月末に2カ所を視察した。さらに2カ所を10月末に訪れる。現地で水揚げされたマグロ、カツオの品質調査も実施する。原料の水産物を品定めし、原料に合った加工品を見定める。今後現地に事務所を設け、半年間ほど市場調査や資源調査をし、具体的な進出計画を立てる。
 ホクガンは約15年前にミャンマーに一度進出したが、電気などの不備から3年ほどで撤退した。
 22日のレ省長との協議は約45分間続き、輸出先や仕入れ方法などを話し合った。同省の農林水産担当者や水産業者ら9人も同席した。レ省長は「ベトナムで最も良い優遇制度を紹介したい」と話した。
 上原会長は5年以上前から海外展開を検討してきた。ベトナムを候補地に挙げた理由に「琉球王朝時代にベトナムと貿易しており、気候も似て非常に親しみを感じた」と説明した。「ベトナムの生産者のことも考え『ホクガンがベトナムに来て良かった』と思われるよう商品開発に取り組みたい」と決意を述べた。
(上江洲真梨子)