10年後の北部憂う 独立研究学会シンポジウム


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辺野古の新基地建設と沖縄の自己決定権などについて討議する登壇者=26日、宜野湾市の沖縄国際大学

 琉球民族独立総合研究学会の第3回公開シンポジウムが26日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。「山原で考える琉球独立」をテーマに、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設や、東村高江の米軍ヘリパッド建設問題などを論じた。

 安次富浩ヘリ基地反対協共同代表は「新基地に軍港機能ができれば、いつ辺野古弾薬庫に核兵器が持ち込まれるか分からない。政府が辺野古に造ろうとしているのは代替基地ではなく、明らかに新基地だ」と強調し「政府に左右されず、子孫のためにウチナーの将来はわれわれで決めていくべきだ」と述べた。
 作家の目取真俊さんは、過疎化が進む本島北部に基地が集中することに「辺野古や高江に基地が造られ、演習が繰り返されるようになれば、やんばるは衰退していく。地域の10年後を考え、行動している」と危機感を表し「ウチナーンチュが現場で汗を流し、運動をつくっていくことが重要だ」と呼び掛けた。
 パネル討議では、儀保由美子さん(同学会北部地域研究部会世話役)が、新基地建設に県民の大半が反対していることを挙げ「民主主義国家で当事者の民意が無視されるとはどういうことか。沖縄は日本に復帰したが、平和憲法の下への復帰は拒否されている」と指摘。同学会共同代表の友知政樹さんはスコットランドの独立を問う住民投票を例に「琉球が世界に働き掛け、自己決定権獲得を発信していくことが重要だ」と強調した。