戦争の記憶後世に ブーゲンビル慰霊祭


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奥津城に手を合わせる参列者ら=26日、糸満市摩文仁のブーゲンビル島奥津城

 【糸満】ブーゲンビル島県遺族会(銘苅春榮会長)は26日、糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある、同島での戦没者を祭ったブーゲンビル島奥津城(おくつき)の前で第50回慰霊祭を開いた。

節目となる今回、遺骨収集団に参加した遺族会理事の呉屋明さん(77)、現地慰霊祭を実施した同理事の高良幸太郎さん(74)の2人が講演、自らの経験を語った。遺族ら約150人は奥津城に手を合わせ戦争の記憶を後世に伝えていくことを誓った。
 太平洋戦争時、県出身者2147人(推定)が命を落としたソロモン諸島ブーゲンビル島。歩兵第45連隊に所属していた父・下地正吉さんを島で失った呉屋さんは1966年7月、遺骨収集団に参加した。呉屋さんは「ベルト代わりに電線を腰に巻き付けた遺骨があったが、輪が異常に細い。食う物も食えない、いかに過酷な戦場だったかが分かる」と声を震わせた。高良さんは歩兵第13連隊伍長だった父・三郎さんを島で失った。「できれば現地を訪れ、祈ってほしい」と訴えた。